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つづき

猫のアキレス。何気に思いついた猫設定だったが、小説風な文章を書くにはなかなか面白かった。そういえば、どんな感じの猫がいいかと、イメージを載せてみることにした。
         

          

                (にゃ?)


まあ、とりあえずこんな感じだと思ってもらえればいいだろう。三毛猫っていうのだろうか、猫には詳しくないが、何でも聞いた話だと三毛猫には雄があまりいないそうだ。殆どの個体が雌で三毛猫の雄というのは珍しいらしい。


アキレスの母は海の女神と言われている。ティティスという名の美しい女性だったらしい。プティアという国の王ペレウスとの間に生まれた子供だった。ティティスは、アキレスが生まれると、アキレスを不死身にしようと、冥府の川ステュクスに彼を浸した。


この時、ティティスの手はアキレスのかかとを掴んでいた。そのため、水に浸からなかったかかと部分は不死とはならなかった。このかかとがアキレスの唯一の弱点となるのだが、それを知る者はそう多くはなかった。勿論、人間には知りうることのできない情報だったのだが、、


それにしても、どうして女神ティティスは、アキレスを完全な不老不死にしなかったのだろう?彼女の不手際からそうなってしまったとも言われるが、少々間の抜けた話のようにも思える。神がそのようなミスなど犯すはずもないとすれば、この行為は彼女の意志によるものだったのではないだろうか?


完全な不老不死よりも、有限を生きる人としての存在を選んだように思える。


そうかもしれないにゃ。アキレスはいつもの橋の袂で涼んでいた。もう季節も春を過ぎ、初夏という雰囲気だった。今日の気温は、20度以上はあるだろうか。春着では暑くてしんどくなりそうな気温だった。


トロイア戦争の時にゃ。あの時、トロイアの神官を捕虜にして話す機会があったにゃ。神官は神の罰が下るであろうと怒っていたにゃ。でも、アキレスは神の眷属だったにゃ。トロイアが信じている存在は虚妄の神だと知っていたにゃ。



其方は神を見たことがあるのか?


神は安易に人前になどでてこないわ。


見たこともない存在を信じるというのかね?愚かだとは思わないのかね?


信じる事が神への愛なのよ、あなたたちのような野蛮人にはわからないわ。


ふふ、、命をとして戦っている者ということも知らぬ言い様だな。まあ、いいだろう。だが、ひとつだけ教えておいてやる。神というものを見たことがある人間からの助言だ


神々は、羨んでいるのだよ。終わりがあるという人間をね。神とは完全な不老不死、例えその身が傷つき、細胞が破壊されても死ぬことはない。そして老いるということもね。


でも、それが全てにおいて都合がいいというわけではないんだ。終わりたいと願っても、終わらせる事もできないし、変わりたいと願ってもそうすることはできない。永遠というのはそういう無限のループなのだよ。


君たち人は、壊れやすく儚い存在だ。だが、それ故に、変わる事ができ、命の煌めきを感じる事ができる。そう、、終わりがあるから美しいと思えるのだよ。


ティティスは、アキレスに人として生きて欲しかったのかもしれない。神として完全な存在になるよりも、人として限りある命を全うして欲しかったのかもしれない。


そうしてトロイア戦争は佳境を迎え、最後の攻防戦でアキレスは誰も知らないはずの自らの弱点を射貫かれて致命傷を負う事になる。知りえないはずの情報がどうして漏洩してしまったのか、それは、神々の妬みだったのだろう。一説には、アポロンが情報を漏らしたという噂もあるが、さもありなんことだ。


にゃ~、あの時は痛かったにゃw かかとに矢が刺さって動けなかったにゃ。無敵のアキレスも弱点を狙われるとさすがに厳しいにゃ。今は猫の身なのだけど、猫は猫で大変にゃ。猫の弱点はお腹がすくことにゃ。空腹には勝てないにゃ~


空腹に負けて、アキレスは飼い主さんの待つ、家へと戻っていった。


戦乱の世が終われば、太平の世がやってくる。それは、戦乱の世よりもずっとずっと長く続く。そこでは、戦の武技など意味をなさず、ただ、人と人の関係が明暗を分けることになるだろう。


夏草やつわものどもが夢のあと、といったところかな、、



暖かな君の胸の中で、海よりも深く眠っていたい (^O^)

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