という村上春樹さんの本を読んだ。たまたま、ブックオフで買ったやつだったのですが、ギックリ腰で安静にしてるのが暇だったので手に取ってみたのですが、、これがなんだか妙に自分の現在とも似通っていて、なんだかビックリしてしまいました、、

で、今回はその感想。勿論、ネタバレありなので読みたい人はみない方がいいでしょうｗ　全体的には不吉な感じが漂っていますね。村上さんの文章にはそういう不吉な感じというのがいつもあるんだけど、今回も読みだしてすぐにその感覚が伝わってきました。

第１部を読み終えて、続きが読みたくなたったのでメルカリで探したら2部と3部があったので購入して、2日ぐらいで一気に読んでしまいました。仕事に行く途中も通勤時間の間に読んでいたので、この２、3日はこの世界にどっぷりという感じでした。おかげで、通勤時間があっという間に感じられて、これからは通勤時間には読書にいそしもうかと思えてきましたｗ

いや～でも、暗い世界です。実際、「井戸」もでてきて、その、光が全くない真の暗闇の世界というのも描かれるのですが、どんな世界なのだろうと興味を惹かれました。目を閉じれば真っ暗になりますが、目を開けても真っ暗な世界というのは体験したことがない。

まさに、深層心理、心の闇の世界なんだろうなと思うのですが、機会があれば一度その完全なる暗闇というのを体験してみたいなと思いました。

　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　（ねえ、ねじまき鳥さん）　

物語はとある夫婦に起こった異変から始まるのですが、内容は結構暗いです。救いがないという感じもするし、人間の心理というのがこんなに底の見えないものなかと恐ろしくなります。

特に、、「クミコ」さんですかね。彼女の心の闇が衝撃的でしたね。女性の心ってこんなふうに暗く淀んでいるものなのだろうか？と不安になりました。まあ、彼女の場合は、特殊なものなのかもしれませんが、、

でも、なんかね、、この心の闇の世界をずーっとみていると、本当にそうか？と思えてくるんですよね。なんだろう、、彼女の心の闇に触れていると、特殊な事例ではなくもっと人間の心の奥底にあるような、、そんな感じがしてね。

心臓もドキドキしてましたしｗ　なんだか頭の中で不気味な音楽が聞こえてきて、とても恐ろしかったです。

なんというか、現実認識が揺らぐというか、、もう20年以上も前の作品ではあるのですが、今読んでもその恐怖感はぬぐえない感じがしますね。

たぶん、私だったら、「笹原メイ」ちゃんみたいに、「関わらない」という選択をするのかもしれませんね。実際、彼女と同じように工場で働いてるし、そうすることで色んな事を忘れていられる、、

他人の心の闇に付き合うよりも、自分の能力を伸ばしていった方が得と考えちゃうかもしれませんね。まあ、実際、そういう選択が今は功を奏してはいるんですけどね。でも、この作品を読んで、なんだかまた考えちゃいそうですね～色々と。

物語は一応の諸悪の権化である存在を倒すことで、終結するのですが、やっぱりそれで全てが元通りになるわけではなく、闇は闇としてそこにあり続ける、そこから先はどうなるのかは分からないという感じでした。

ふと、読み終えて思ったことは、クミコさんはねじまき鳥さんと出会わなければどうなっていたのだろう？という風に思いました。もっと別の、裕福で形式的な家庭を作ってそれなりに上手くやっていったのだろうか？

占い師の「本田さん」によれば、ねじまき鳥さんとの出会いは吉であると言ってはいるのですが、出会わなければもっと酷くなった可能性もあるという風にも言ってます。まるで、白日夢のように消えてしまった「宮脇家の人々」みたいに？

かもしれませんね。でも、そうなると、彼女には救いが無さすぎる。因縁による応報だとも思えなくはないけど、もっと普通の家庭で、全うに愛情を受けて育っていれば普通の人生を送れたのではないだろうか？

となると彼女は被害者だし、だとすれば、救済されるべきなのだろうとも思うけど、、

まあ、こんな感じで今は、自分の中でも色んな疑問がぐるぐる渦巻いてる感じですね。しばらくはまたこの作品の闇に囚われる事になるのかなｗ　でも、こういう時はちょっと間をおいて離れて観るようになるまで時間を置いた方がいいかな。

こういう込み入った問題は、ちょっと離れてみないと全体がわからないからね。でも、いい作品でした。村上さんの作品の中では完成度はトップクラスだと思います。

では、今回はこの辺で、またね～('ω')ノ

マタイ受難曲　Matthäus-Passion.wmv

クラッシックナンバーが多くでてきた作品でもありましたね。適当に選んでみたけど、どうなんでしょｗ

なんとなく悲しくなるね～。月光の下でとめどなく泣き続けるメイちゃんみたいに、、