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ハロウィンと妖精

10月30日、夕方、西の丘。ワッツは、用意したものをとりだし、本に書かれたあった呪文を唱えた。


妖精さん、妖精さん、お気に入りのお花はいかかが?よろしければ、チーズもおつけしますよ。妖精さん、妖精さん、さあいらっしゃい~(そんな呪文あるかw)


シーン(無音)、何も起きなかった。やっぱありえねーし。でも、面白いイベントだったよな。思い出はにはなったかな、じゃ、帰ろうか。と踵を返し振り返った時だった。何かが動く音がしたので振り返ってみると、そこには、一匹の羽の生えた小人がこちらを見ていた。


                                          

              (で、でた~w)



そのあまりの非現実さにワッツは全身の鳥肌が立ち、言葉がでなかった。するとその小人が尋ねてきた。「僕を呼んだのは君かい?」、うん、と頷いた。「ここはどこ?」、人間の世界、とある町の西の丘だよ。人間界?、そうか、今日はハロウィンだから、位相が重なったのか。名前はなんていうの?ワッツ。そうか、ワッツ君、初めまして。僕はパックとでも名乗っておこう。本名は明かせないからね。


パック、パックっていうんだね。一応ね。どこから来たの?あの世とこの世の境目だよ。常世の国とも呼ばれている時間や空間が存在しない世界さ。よくわかないけど、世の中には不思議な事があるんだね。そだね、まあ、僕も詳しくはないんだけど、と微笑んだ。


なんだか話の通じる相手だと分かったので、ワッツとパックはすぐに仲良くなれた。ところでワッツ、君は何してる人なの?え、ええとね、今のところ、ニートって呼ばれてるんだけど、、ニート?それって何? え、んー、なんつか、働いてない人の事をそう呼んでるみたい。


ふーん、でも、僕だって働てるわけじゃないから、君も人間界でいう妖精みたいなものかな。かもしれないw よくわかんないけど。でも、そのせいかな。あまりに人間臭いと僕たちも近寄りたくないからね。妖精や幽鬼が見えるのは、人間臭さがあまりない人たちだよ。頭が固いと僕たちの存在は見えないんだ。


そーなんだ。なんかそう言われると優越感あるような気がするけど、立場はそんなによくないし、金もないしねw フーン、まあ、いいか。それで、これかどうしようか、一応、ハロウィンが終わるまでは話せると思うけど。


そか、じゃ、明日の夕方ぐらいまでか。たった一日だけど、君の家にホームステイしてみることにするよ、いいかな?もちろん。妖精さんの話も色々聞いてみたいし。


というわけで、パックはワッツの家に一日だけ泊まることになった。


それから二人は、色んな話をした。お互いの世界のこと、好きな事、嫌いな事。住む世界が違う相手だったが、不思議なほど心は通じ合い分かり合えた。


妖精はひ弱な存在なので、相手の心を読む力を使って、信頼できる相手かどうかを判断するのだそうだ。なので、通りすがりの相手が、危険な相手だとわかると、パックはこわばった表情をした。見た目では普通、あるいは、綺麗めにみえてもパックをみるとだいたいその正体がわかって、面白かった。


パック、パックがいるときっと人生もっと楽に生きられる気がするよ。なんで?だって悪意的な人と関わらないで生きていけるからね。人間は見た目ではまったくわからないし、信じて後で後悔したなんてのは腐るほどあるからね。


でも、嫌なやつとも付き合わなきゃいけない時もあるよ。相手の正体がみえたら、やりにくいことも少なくないかもしれない。それにさ、そういう能力は学んでいくものなんだと思う。そすかね~。カンニングしちゃダメって事かもしれないねw


そんなこんなで、一日はあっという間に過ぎ、別れの時が来た。パックと出会った西の丘。もう夕日が沈みかけていた。


ワッツ、そろそろお別れだ。短かったけど楽しかったよ。うん。なんだか、泣きげーのラストシーンみたいなセンチな展開だけどw こうしえて出会えたのも縁だろうから、君の事は忘れないよ。うん(T_T)


来年もまた会えるかな?わからない。でも、変わっていくことを恐れないで生きて行ってほしい。忘れちゃうの?そうじゃない。成長していくだけだ。ワッツが成長すれば、僕たちもまた成長するからね。


一人じゃ不安だけどね。大丈夫。ワッツの味方がワッツと出会えるように助力はする。マジすか?マジだw


じゃ、そろそろ行く。元気でね。妖精は不滅だからいつでも元気だ、それよか、ワッツの方こそ健康には気を付けてね。わかりました('ω')ノ


最後の西日が消える。気さくな妖精、自称パックの姿は霞のように消えていった。もっと泣いちゃうかと思ったが、パックの気遣いのおかげで、その先に考えを進める事ができた気がする。


ありがとうパック、また会える日まで(*^-^*)


おしまい。



米津玄師 MV「Lemon」


(解説)昔遊びで書いた小説ぽいのです。久々に読んでみると面白かったのでブログにのせてみることにしました。よければ感想ください、みたいなw

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